暗号資産(仮想通貨)とは
2017年の末に200万円を付けたビットコイン、その後、30万円台に値段を下げたあと、今年に入りじわじわと価格が上昇し、暗号資産の話を聞く機会も増えてきているかと思います。
ここでは、暗号資産(仮想通貨)がどのようなものなのかを改めてご紹介したいと思います。
そもそも暗号資産(仮想通貨)とは
貨幣や紙幣といった実体を持っておらず、デジタルデータとしてだけ存在している資産のことをいいます。
デジタルデータの資産ということで、電子マネーと何が違うのかというと電子マネーは、国が発行した通貨をデジタル化したもので日本円(法定通貨)が基本となっています。
暗号資産は法定通貨ではないということが大きな違いといえます。
暗号資産の特徴で一番大きな部分が、
法定通貨:国家が価値を保証している
暗号資産:利用者による暗号資産自信の信用により価値が保証されている
であり、中央集権的に管理する機関がないことでオープンな通貨、資産であるといえます。
法定通貨は、国家によって発行され価値を保証されているため、国家の経済政策や他国通貨とのパワーバランスにより価値の変動リスクは常にもっているが、暗号資産は、利用者による暗号資産自体の信用により価値が保証されているので、価値の変動を主導するのは利用者であるということが言えます。
もともと日本国内では「仮想通貨」(クリプトカレンシー Cryptocurrency)と呼ばれていたが、2019年3月15日、仮想通貨に関する規制強化策を組み入れた資金決済法および金融商品取引法の改正案が閣議決定されました。
そこで国際的な動向等を踏まえ、従来用いられていた「仮想通貨」という法令上の呼び名を国際標準となる
「暗号資産」(クリプトアセット crypto asset)
に変更し、統一されていく方向に決定されたため、今後は仮想通貨ではなく、暗号資産という文言に統一されていくことになります。
資金決済法での暗号資産(仮想通貨)の定義
資金決済法では仮想通貨を以下のように定義しています
この法律において「仮想通貨」とは、次に掲げるものをいう。
1:物品を購入し、若しくは借り受け、又は役務の提供を受ける場合に、これらの代価の弁済のために不特定の者に対して使用することができ、
かつ、不特定の者を相手方として購入及び売却を行うことができる財産的価値(電子機器その他の物に電子的方法により記録されているものに限り、
本邦通貨及び外国通貨並びに通貨建資産を除く。次号において同じ。)であって、電子情報処理組織を用いて移転することができるもの
2:不特定の者を相手方として前号に掲げるものと相互に交換を行うことができる財産的価値であって、電子情報処理組織を用いて移転することができるもの
暗号資産は資金決済法上の通貨ではないと表現されています。
ですので、給与の支払いや税金の納付等には利用することはできないものとしていますのでご注意ください。
※一部の企業では給与として暗号資産(仮想通貨)を払う制度を導入している企業もありますが、導入には注意が必要です。
GMOインターネット社では、本人の承諾の元、持ち株会のように支払われた給与から暗号資産を代理で購入し付与することにより給与計算でも利用しているようです。
暗号資産(仮想通貨)の特徴・メリット デメリット
では、暗号資産(仮想通貨)がここまで騒がれている理由は何なのかメリット、デメリットをそれぞれ上げてみたいと思います。
メリット
- 世界共通の通貨である
- 国が発行体となって発行する法定通貨とは異なり、全世界で共通の価値を持つ通貨として利用できる。
- 送金が簡単で手数料が低い
- 仮想通貨を送金する場合 銀行などの金融機関を通す必要がないため、指定したアドレス宛に送金するだけで送金できるので簡単に送金を行うことができる。
- ブロックチェーン技術を利用しており透明性が高く安全
- 発生したすべての取引を記録しており、常にブロックチェーンを維持管理しているユーザーが監督しており改ざんできないものとなっています
デメリット
- 盗難リスク
- 電子署名という技術によって秘密鍵を持っている人のみ自身の資産を管理できるようになっていますが、秘密鍵が漏れてしまった場合簡単に資産を盗まれてしまうということがあります。
- パスワードを誰かに知られてしまったら勝手にログインされてしまうのと同じように、秘密鍵がハッキングなどによって盗まれてしまったら暗号資産が盗難される可能性があります。
- 誤送金リスク
- メリットでも記載しましたが、送金が容易ということは誤送信の可能性も高いということになります。
- 相手先のアドレスを記載するだけで送金ができてしまうため、アドレスを誤ってしまうとどこに送ったかわからなくなり、帰ってこないことがほとんどです。
現行の通貨の概念を大きく変える可能性のあるものである一方、制度が未成熟なために意図しない形で資産が紛失してしまうというリスクがあります。
ご自身の資産を守るという上でもID、PWの管理といった基本的なことから、ウォレットの管理等注意を行う必要があるといえます。
仮想通貨の投資
冒頭でも記載しましたが、ビットコインの価格で年初の時点で40万円台、6月に入って90万円を超える値段をつけており、価値の上昇による投資の対象として考えられている方が多いのではないかと思います。
それでは、仮想通貨の投資という観点でメリット、デメリットをご紹介します。
メリット
- 24時間365日投資をおこなえる
- 国の政策による価格変動が発生しにくい
- 1以下の売買単位で購入することができるので、1万円以下といった小額から投資を始められる
- 価格変動が大きいので運用次第で利益を出すことができる
- 暗号資産の種類によっては価格が爆発的に上昇する可能性がある
- ※上記上昇を確約するものではございません。投資の際にはご自身の判断にてお願いいたします。
デメリット
- 投資している暗号資産自体が無価値になる可能性がある
- ハードウォレットの紛失、相続時の管理漏れによる資産喪失の可能性がある。
- 取引所自体がハッキングされたり、意図しない形で資産が紛失する可能性がある。
- 法整備が未成熟のため、人為的な相場の操作や予期しない現象が起こり得る
従来の投資とは異なる動きをすることがありタイミングによっては大きく利益を出すことができるが予期しない動きをすることもありますので、資産の保全に注意しながら投資することをお勧めいたします。
また、暗号資産の投資で利益がでた場合、税金が発生します。
暗号資産の税金については別記事にてご紹介いたします。
クリプトリンクでは仮想通貨の税務をサポートしております。
定期的に税務に関わるところを紹介できればと思っておりますので引き続きよろしくお願いいたします。