キャッシュレスとキャッシュレス化が進むとどうなるか①
先日あるセミナーで、キャッシュレス化と、キャッシュレス化が進むとどうなるか。
というお話をする機会がありましたので、簡単にまとめてみたいと思います。
①お金のはじまり
お金の始まりは、ヤップ島(ミクロネシア連邦のヤップ州の州政府が置かれている西太平洋上の島)の石貨(フェイ)といわれています。
wikipediaより ヤップ島のフェイ
小さいものは直径30cmくらいで、普通は直径60cmから1m余り、大きいものになると直径3m、重さ5tほどにもなります。
とても大きなもので現在の貨幣のように品物と交換して利用するという使い方ではなく、冠婚葬祭時などに送られる贈答品として使われていたようです。
サイズや重量が大きいので、動かすことが困難で所有者が変わっても、移動したりせず所有権の変更のみが行われるそうです。
利用の方法としては取引の記録をフェイに刻み込むという形で利用がされており、記帳を行うことにより取引をおこなっていたようです。
興味深いことに、仮に海に沈んでしまい情報の確認が出来ないものでも、公式なものとして認められており
フェイ自体の物としての価値ではなく、フェイを所有する人、とそれを認識する人々の信用によって価値が認識されています。
現在と同様、お金の価値というものは信用から生まれているということが言えるかと思います。
②日本のお金の変遷
日本で初めて流通した通貨は、和同開珎といわれています。
それまでは物々交換や、物品貨幣を用いで取引が行われていました。
物品貨幣とは
一般的に価値あるものとして認められているもの(米、布、塩、貝殻、石など)を貨幣のかわりとして利用したもの。
和同開珎は708年に初めて鋳造・発行され、平城京造営に伴う、労賃や資材の購入のために発行されました。
その後9世紀には和同開珎は流通から姿を消したといわれています。
12世紀半ばごろに、中国から渡来銭が日本に流入して利用されるようになりました。
この時代は全国的に統一された通貨ではなく、各土地の大名がそれぞれその地域に通用する通貨を発行するなど、地域によって価値の違う通貨が流通していました。
1636年に寛永通宝が発行されました。
ここで初めて大きさ・重さ・品位(金銀の含有率)などを統一した金貨と銀貨を発行されました。中世から引き続き使われていた銭貨は、寛永通宝に統一されました。
1871年になり、 「円」(圓)の導入し、1885年に初めて日本銀行券が発行されました。
ざっくりとになりますが、上記のような流れを通して日本では流通通貨制度が整ってきました。
初めは、物々交換、や、物品貨幣で取引を行い。
長い時間をかけ、地域ごとに利用できる通貨が利用され、それが日本全体で利用できるものに整備されていったと言えます。
③現在のキャッシュレスにいたるまで
金額の小さな取引ではあまり問題が起きませんが、金額が大きいような取引や、重要な取引では通貨で直接やり取りするにはリスクや様々な懸念があります。
そこで各種のキャッシュレスのサービスが発生してきました。
当座預金からの引き出しに用いたり、支払手段として他人に渡すことができる小切手や、海外渡航に際して発行される外国旅行者向けのトラベラーズチェック。
後払い支払い手段であるクレジットカード等です。
このようなサービスも決済手段の利便性の向上につながりましたが、eコマースの発展により利用がしにくいシチュエーションが増えてきました。
例えば、
インターネットで商品を購入するとき、見ず知らずの人や店舗にクレジットカードの番号を教えなくてはいけない。
銀行振り込みで代金を払う場合、手数料がかかったり、支払ったのに商品が届かなかったり。です。
このような不安を解決するため、PayPalといったインターネットを利用した決済サービスが提供され始めました。
PayPalを経由して決済を行うことにより、上記の懸念である、クレジットカードの番号を見ず知らずの人に教える必要がなく、安全に決済を行うことが出来るようになりました。
現在では、スマートフォンを利用することにより、電子マネーやQRコード決済のような新しい形の決済サービスが発展しています。
④キャッシュレス決済の種類
キャッシュレス決済の種類は、大きく 【前払い】、【即時払い】、【後払い】の3つにわけられます。
【前払い】
Suicaなどの電子マネーなど
事前にチャージした金額を利用して決済を行う。
カメラやスキャナーでの読込や、タッチを行うことにより決済が行えます
【即時払い】
デビットカードなど
デビットカードの場合、預金口座と紐付けられた決済用カードで決済すると代金が即時に口座から引き落とされる。
スライド式や、ICカードによる読込で決済が行えます。
【後払い】
クレジットカードなど
クレジットカードの場合、決済した次の月等、提供事業者が決めた期日にて支払いが完了する。
スライド式や、ICカードによる読込で決済が行えます。
キャッシュレスの推進のために最近ではキャッシュレスの事業者によって、お得なキャンペーンや、国による補助が獲得できます。
次回は、国の施策やメリットデメリットについてご紹介いたします。