仮想通貨・暗号資産の会計・税務に関する情報をお伝えします

キャッシュレスとキャッシュレス化が進むとどうなるか②

前回に引き続きキャッシュレスについてまとめていきたいと思います

キャッシュレスとキャッシュレス化が進むとどうなるか①

 

⑤国の方向性

未来投資戦略 2017 5.FinTech の推進等 にて

今後 10 年間(2027 年6月まで)に、キャッシュレス決済比率を倍増し、4割程度とすることを目指す。

という目標が掲げられています。

そこで、2019年10月より2020年6月の9か月間

キャッシュレス・消費者還元事業 という制度を開始します。

消費者還元として、当事業に登録している店舗でキャッシュレス決済を行った場合、5%、(フランチャイズ店では2%)の還元が行われます。

当該事業に登録した店舗は、決済手数料の料率を3.25%以下へ引き下げ。端末の導入費用が負担金0で導入ができるというものです。

 

また、キャッシュレスの文脈と併せて、軽減税率補助金というものがあります。

2019年10月から消費税改正・軽減税率制度がはじまります。

購入するものによって8%と10%と消費税率が変わるものになります。

改正時のルールとして、レシートに8%のものと10%のものを分けて記載を行う必要があり、対応しているレジに変更するための補助金がこれにあたります。

軽減税率補助金

こちらの補助金はレジシステムの導入に関しての補助金になりますので、レジを交換したいという方はこちらの補助金も利用できると思います。

 

キャッシュレスにより、店舗側の業務効率化や、税金面の効率化が図れるとともに、現在発生しているインフラ整備のコスト削減も視野に入っている

野村総合研究所の調査によると、現金決済インフラの社会コストは年間1兆円を超えているということもあり国も力を入れているということかと思います。

平成29年度産業経済研究委託事業
我が国におけるFinTech普及に向けた環境整備に関する調査検討 経過報告 キャッシュレス化推進に向けた国内外の現状認識

 

 

 

⑥導入店のキャッシュレス導入によるメリット・デメリット

メリット

(1)現金を扱わなくてすむ
数え間違いやおつりの間違い等のトラブルが減る。
お金に触らないので清潔な状態を保てる。
※全ての支払いをキャッシュレスにできれば、レジ締めの作業や、おつり用のお金など、余分なお金の用意が不要になるというメリットも享受できるかと思います。

(2)決済にかかる時間の短縮
現金のやり取りが発生しないので、決済にかかる時間を省略できる。

(3)客層や売上の拡大が見込める
キャッシュレス事業者は、定期的にポイント還元やキャンペーンを実施しています。
上手く利用することにより広告のコストをかけずに新規顧客の獲得にもつながります。

(4)売上の状況がリアルタイムにわかる
クラウド系のPOSなどと連携することにより、手作業で行っていた売り上げ管理を、リアルタイムで把握できるようになります。

デメリット

(1)災害に弱い
読取機械が電気を利用するものがあり、そのような場合には停電するとほぼ使えない可能性があります。

(2)トラブル対応が発生する
オペレーションが変わるため導入して間もない時は現金では発生しないトラブルが発生する可能性がある。

(3)現金決済と二重管理になる
キャッシュレス決済導入後も現金決済が必要になり二重管理が求められる。

(4)初期導入費用、決済手数料などの新たなコストが発生する
「初期導入費用」と「決済時の手数料」が発生する。

(5)入金が遅れる
売上が発生してしてもすぐに入金されないため、お金が巡るサイクルが遅くなる。

 

デメリットである、導入コストについては現行の補助金の制度をうまく使って導入できれば負担を抑えて導入できますので補助が厚い今のうちに導入をすることをお勧めいたします。

 

⑦キャッシュレスの導入の売上アップの可能性

上にあげた野村総合研究所の同様の調査では、キャッシュレスの導入により、客数の増効果が2.1%、客単価の増効果が1.6%と両方ともに少ないながらも効果があるようです。

平成29年度産業経済研究委託事業
我が国におけるFinTech普及に向けた環境整備に関する調査検討 経過報告 キャッシュレス化推進に向けた国内外の現状認識

 

他にも具体的な事例としては、楽天株式会社が運営する、楽天生命パーク宮城にて完全キャッシュレス化に踏み切ったことが記憶に新しいですが

https://jp.reuters.com/article/japan-economy-payments-idJPKCN1U30QY

4、5月の飲料や物販の売り上げが前年同期比プラス20%に急増した。

というデータも上がっているようです。

レジ対応の時間の短縮や、現金を利用しないことによる満足感の向上などは売り上げに対して一定の効果はあるようです。

 

今回は、国の制度と中心にキャッシュレス化の導入の影響について記載しましたが

次回は、キャッシュレス化が進むとどんなことが出来るようになるのか。

ということを考えていきたいと思います。


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